トイレの詰まりと聞くと、トイレットペーパーの使いすぎや異物を流したことなどが真っ先に思い浮かびます。しかし、時には私たちの想像を超えるような「意外な原因」が潜んでおり、それが詰まりを引き起こしていることも少なくありません。一般的な対処法を試しても改善しない場合は、これらの見落としがちな盲点に目を向けてみることが、問題解決の糸口となるかもしれません。一つ目の意外な原因は、「ペットの排泄物や猫砂」です。特に猫砂は、水に溶けない性質のものや、吸水性が非常に高いものが多く、トイレに流してしまうと、排水管の途中で水を吸って膨張し、頑固な詰まりの原因となります。少量であれば問題ないと思いがちですが、流し続けることで徐々に蓄積し、ある日突然詰まってしまうこともあります。対策としては、猫砂は必ず燃えるゴミとして捨てるようにし、ペットの排泄物も少量ずつ流すか、専用の処理方法に従うことが重要です。二つ目の盲点は、「お掃除シートやティッシュペーパー」です。一見するとトイレットペーパーと同じように水に溶けそうに思えますが、これらは水に溶けにくいように作られています。特に、厚手のタイプや繊維が丈夫なタイプは、排水管の途中で絡まりやすく、詰まりの原因となります。また、「流せる」と表示されている製品でも、多量に流すと詰まるリスクがあるため、使用後はゴミ箱に捨てるのが最も確実な対策です。三つ目の意外な原因は、「排水管の経年劣化や勾配不足」です。特に築年数の古い住宅の場合、排水管内部にサビや水垢が蓄積して管が細くなっていたり、配管自体の勾配が不足しているために水の流れが悪くなっていたりすることがあります。このような場合、通常のトイレットペーパーでも詰まりやすくなります。この問題は素人では解決できないため、業者による配管洗浄や、場合によっては配管の改修工事が必要となります。四つ目は、「節水型トイレと流す水の量のバランス」です。最近の節水型トイレは少ない水で流せるように設計されていますが、過度に節水を意識して「小」でばかり流していると、十分な水量が流れず、排水管内の汚れやトイレットペーパーが十分に排出されないことがあります。結果として、徐々に蓄積して詰まりに繋がることもあります。対策としては、大便の際は必ず「大」で流すなど、状況に応じて適切な水量で流すことを意識しましょう。
トイレ詰まりの意外な原因とその対策