キッチンの水栓は、毎日使う頻度が高いため、部品が徐々に摩耗し、やがて寿命を迎えます。水栓の寿命は、一般的に10年から15年程度とされていますが、使い方やメンテナンスの状況によって大きく変動します。水漏れやレバーの不具合、吐水不良といったトラブルが発生し始めたら、それは交換のサインかもしれません。新しい水栓を長く快適に使い続けるためには、日々のちょっとした心がけと適切なメンテナンスが不可欠です。水栓の劣化の主な原因は、水道水に含まれるミネラル成分による水垢の付着、内部のゴム製パッキンやカートリッジの経年劣化、そして頻繁な使用による金属疲労などが挙げられます。特に、水垢は放置すると固着し、水の出る穴を塞いだり、レバーの動きを悪くしたりする原因となります。また、パッキンやカートリッジの劣化は、水漏れの直接的な原因となり、放置すると水道代の増加や、シンク下の腐食に繋がる可能性があります。水栓を長持ちさせるための最も基本的なメンテナンスは、「使用後の清掃」です。水を使うたびに、水栓の表面や吐水口、レバー周りに水滴が付着します。これを乾いた布で拭き取るだけでも、水垢の発生を大幅に抑えることができます。特に、水栓の根元やレバーの隙間は汚れが溜まりやすい部分なので、意識して清掃するようにしましょう。次に、「定期的な水垢除去」も重要です。もし水垢が固着してしまった場合は、クエン酸水(水にクエン酸を溶かしたもの)を含ませた布で拭いたり、クエン酸パック(クエン酸水に浸したキッチンペーパーを貼り付ける)をしたりすることで、水垢を柔らかくし、除去しやすくすることができます。ただし、クエン酸は酸性であるため、大理石や一部の金属製品には使用できない場合があるので注意が必要です。シャワーヘッドを引き出すタイプの水栓の場合は、「ホースの清掃と点検」も忘れずに行いましょう。ホースの外側は、石鹸カスや手垢で汚れやすく、カビが発生することもあります。中性洗剤を含ませた布で定期的に拭き取ることで、清潔な状態を保ちます。また、ホースの内部にも水垢や雑菌が溜まることがあるため、シャワーヘッドを外してホース内部の水をしっかりと排出することも有効です。さらに、「レバーの操作は優しく」行うことも、水栓を長持ちさせるコツです。