もう繰り返さない!マンションのトイレ逆流予防策
一度でも経験すれば二度と味わいたくない、それがマンションのトイレ逆流です。この深刻なトラブルを未然に防ぐためには、日々の個人の心がけと、マンション全体での計画的なメンテナンスの両方が不可欠です。まず、私たち一人ひとりが今日から実践できる予防策があります。最も重要なのは、トイレに流して良いものと悪いものを正しく理解することです。流して良いのは、基本的に排泄物とトイレットペーパーだけです。水に溶けるように見えるティッシュペーパー、お掃除シート、ウェットティッシュなどは、水中での分解性が全く異なり、排水管のカーブなどで絡まり、詰まりの核となります。また、天ぷら油などの調理油をキッチンシンクに流すのも厳禁です。冷えて固まった油は、排水管の内側に付着し、そこに様々なものが付着して、石のように硬い詰まりを形成します。これは、トイレの逆流に直結する大きな原因の一つです。しかし、個人の努力だけでは防ぎきれないのが、建物全体の排水主管の汚れの蓄積です。これを防ぐためには、管理組合が主体となった定期的な排水管清掃が極めて重要になります。専門業者が高圧洗浄機を使って、排水主管の内部にこびりついた長年の汚れを洗い流す作業です。多くのマンションでは、一年に一度、あるいは二年に一度といった周期で計画的に実施されています。費用はかかりますが、逆流トラブルが発生した際の復旧費用や住民の精神的負担を考えれば、これは必要不可欠な投資です。自分のマンションの排水管清掃がいつ行われているか、管理組合の議事録などで確認し、もし長期間行われていないようであれば、管理組合に提案することも、住民としてできる大切な予防策の一つです。